関電が再稼働を目指している大飯原発4号機(左)と3号機=福井県おおい町【拡大】
現在、大飯、高浜原発は再稼働の前提となる原子力規制委員会の安全審査中。男性は「『脱原発』を強く訴える候補者が当選したら、規制委の判断も左右されるのでは。そうなれば、地元の景気はさらに悪化する」と懸念している。
仮に「脱原発」を掲げた都知事が誕生しても、そもそも東京都には原発がないうえ、周辺地域でもない。電力会社と原発立地自治体は原子力安全協定を結んでおり、協定を結んでいない都は、原発を直接的に停止することはできない。
だが、ある電力会社は「静観するしかないが、(結果が)全く気にならないといったら嘘になる」と苦渋の表情を浮かべる。電力会社が都知事選に神経質になる背景には、都のトップが「脱原発」に転じた場合、ほかの地方自治体も再稼働に慎重な姿勢にと“同調”の流れにつながる可能性があるためだ。