新宿高島屋に設置されたタッチパネルでチョコレートを選ぶ買い物客=東京都渋谷区【拡大】
佳境を迎えたバレンタイン商戦で、百貨店各社がスマートフォン(高機能携帯電話)の活用に力を入れている。インターネットの利便性と、商品を実際に見て選べる実店舗の強みを融合させる「オムニチャネル戦略」は各社が成長の柱と位置づける。若者の需要が多いバレンタインはオムニチャネルを訴求する絶好の機会とあって、新たな取り組みも始まっている。
新宿高島屋(東京都渋谷区)はバレンタイン商戦中、店舗2階にタッチパネルで好きなチョコレートを検索できる「スマートラウンジ」を設置している。店頭では約600種類のチョコを扱うが、タッチパネルではネット通販のみで販売する商品も含めた約1000種類のチョコを紹介。気に入った商品の情報をスマホに記録でき、売り場地図やネット通販の購入ページを見ることができる。
店頭に並びきらない商品を消費者に提案できるほか「自宅に帰った後でも、気になった商品を通販で購入してもらうことができる」(営業企画担当の山本倫代次長)といい、店を訪れた消費者の需要を取りこぼさない構えだ。今後、母の日商戦などでもスマートラウンジを活用するという。