こうした人たちは、「仮想移動体通信事業者(MVNO)」と呼ばれる既存の通信網を借りて月千円未満の格安で通信サービスを提供する業者と契約し、「SIMカード」と呼ばれる通信用チップを中古ショップなどで購入したスマホ端末に差して使用している。
横田氏はこれらの通信業者を航空業界のLCC(ロー・コスト・キャリア)にちなんで「携帯LCC」と表現する。「コストパフォーマンス重視のユーザーの有力な選択肢の一つとなる可能性がある」という。
木暮准教授も「携帯でインターネットを閲覧しない『ライト層』と、複数端末を使いこなして通信料金を節約する『ヘビー層』を中心に、ガラケー需要が増えるかもしれない」と予測している。
しかし、販売の現場は複雑だ。ある販売業者の営業担当者は「スマホを売らないと利益が減ってしまう。付加価値を理解してもらってスマホを買ってもらいたいのが本音」と打ち明けている。