NHKの籾井勝人会長【拡大】
だが、局内には困惑が広がっている。籾井氏は理事人事に先立ち、任期途中の専務理事2人に「後進に道を譲ってほしい」などと退任を求め、拒否されていたことが判明。籾井氏は就任初日の1月25日、理事10人から日付のない辞表を出させたとして国会で追及され、「人事権を乱用しない」と繰り返していた。
NHK関係者によると、4月人事で番組制作トップの放送総局長や国際放送統括などの要職を任された板野裕爾専務理事は、発令に当たって部下の局長らに頭を下げて回ったという。NHK幹部は「局内で板野氏は籾井氏の理解者とみなされており、本人も難しい立ち位置を自覚しているのだろう」と話す。
4月30日の理事会では、番組の考査報告をめぐり籾井氏と理事らが激論。増税に伴う消費者の不安を報じた内容に対し、籾井氏が「買いだめは無意味とか、負担軽減策も伝えるべきだ」として「個々の番組で」公平性を確保することを求めたのに対し、理事らは他の番組も含めた「放送全体」でバランスを取っていると反論。しばしば偏向が指摘されるNHK番組のあり方をめぐる重要な論点だったが、議論は平行線をたどったという。