桑原社長は「総合居酒屋の価格の安心感とブランド知名度を武器にした成長戦略は、すでに曲がり角を迎えた」と分析。今後は専門店の比率を高め、1店舗当たりの収益力を最大化していく戦略を基本にすえる。
同社の居酒屋の既存店売上高をみると、全店舗の9割を占める「和民」と「わたみん家」で前年実績を割り込む低迷が目立つ一方、炭火焼き店「炭旬」やワインバル「GOHAN」といった客単価の比較的高い新業態は、好調なプラス成長を続けている。
2月に開いた初の本格中華店「ワンズガーデン」(川崎)をめぐっては、これまでワタミが苦手としてきた駅ビルや商業施設への出店要請が相次いでいる。初めて外部コンサルタント会社と共同で店舗開発した「炉ばたや 銀政」(銀座)は3月の開店以降、女性客が約半数に上り、客単価も4000円弱と、2500円前後の「和民」と比べ高い水準を維持している。