魚が体にいいとはよくいわれる一方、実際は食生活の変化とともに摂取量が減少している。魚の油に多く含まれている脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が心筋梗塞、脂質異常症、高血圧など生活習慣病の予防に役立つことは広く知られており、なるべく摂取を心がけたい。
消費者庁の機能性評価でもDHA・EPAは、「心血管疾患リスクの低減」「血中中性脂肪の低下」「関節リウマチ症状緩和」で「明確で十分な根拠がある」レベルと報告された。最近の研究でも鬱病、認知症などの予防効果もあることが分かってきた。
早稲田大学研究院の矢澤一良教授は、「落ち着きのない子供の集中力が高まり、精神安定性も向上するなどDHA・EPAを摂取すると精神面にも良い影響を与えるという研究成果もある」と指摘する。
厚生労働省は、さまざまな分野の健康改善につながるDHA・EPAを1日当たり1グラム摂取することを目標に定めているが、実際の平均摂取量は目標の4割に達していない。摂取量の多い50代以上の男性でも7割強。10~20代の若年層は男女とも目標摂取量の2割程度だ。