甘い香りで幅広い客層から人気を集めている赤芋焼酎=大阪市浪速区のライフなんば店(大塚聡彦撮影)【拡大】
飲みやすさやこれまでの焼酎になかった味わいで近年人気が急拡大。「変わり種を飲んでみたい」といった焼酎好きのこだわりが需要を伸ばす一方、「焼酎にあまり親しみがなかった女性層など、新規ユーザーも取り込んでいる」(宝酒造)という。
売り切れも続出
一般的な本格焼酎は、原料として開発されたサツマイモの「コガネセンガン」を使用する。一方、赤芋焼酎は「ベニサツマ」「ナルトキントキ」など皮や実が赤いイモで作られる。
コガネセンガンと比べ、赤芋は糖度が高く、食用に使われることも多い。このため焼酎の原料としての流通量が限られており、“プレミアム焼酎”の地位を築きつつある。
赤芋焼酎の火付け役として名高い霧島酒造(宮崎県都城市)も、そうした希少性で人気を集めるメーカーのひとつだ。平成13年に発売した「赤霧島」は紫色の実が鮮やかな「ムラサキマサリ」を使用。年に2度の収穫時期に合わせた数量限定販売のため、インターネットで希望小売価格を超える値段で取引されることも多く、売り切れが続出している。