アルストムとの合弁に成功したGEのジェフ・イメルト会長兼最高経営責任者(後列中央)ら。三菱重工の宮永社長(左)は、戦略転換を強いられる(コラージュ、写真はロイター)【拡大】
仏重電大手「アルストム」のエネルギー部門を巡る巨額買収合戦は、フランス政府の支持を取り付けた米ゼネラル・エレクトリック(GE)が、三菱重工業と独電機大手シーメンス連合の猛追をかわし、決着した。三菱重工にとっては、GEのさらなる巨大化を防ぐとともに、アルストムとの連携で海外事業の拡大を狙う“一石二鳥”の戦略だっただけに、逃した獲物の影響は大きい。同じく買収の腹案を温めていた東芝や日立製作所を含め、国内重電各社は生き残りに向けた戦略転換を迫られている。
逃した獲物
三菱重工の宮永俊一社長は26日の株主総会で「(シーメンスとの共同)提案が不採用となり残念だ」と悔しそうな表情を浮かべた。宮永氏は、日立と火力発電事業を統合した三菱日立パワーシステムズ(横浜市)を中心に「戦略的な事業展開を推進していく」と巻き返しを誓った。
買収失敗の報告と今後の道筋を示して株主の機先を制したことにより、総会でこの問題が蒸し返されることはなかった。だが「売上高5兆円企業を目指す」との目標を掲げ、積極的なM&A(企業の合併・買収)を掲げた宮永氏にとって、逃した獲物は小さくない。