規制委は原発再稼働の可否を左右する鍵を握る。このため通常、電力会社がここまで敵対することはない。関西電力は大飯原発(福井県)の基準地震動(最大規模の地震の揺れ)をめぐって対立したが、最終的には規制委の言い分を丸のみした。
存続に危機感
原電が「徹底抗戦」する背景には、規制委の対応への反発だけでなく、差し迫った経営事情もある。
原電は茨城県の東海第2原発と敦賀1、2号機の計3基を保有する。敦賀の再稼働が難しい中、5月には東海第2の安全審査も申請したが、東海第2は運転開始から35年を超える古い原発で、審査合格のハードルはかなり高いとみられる。
1基も再稼働できなければ原電は収益を上げられず、存続がおぼつかなくなる。
ある幹部は悲壮感を漂わせながら、こう言い切った。
「たとえ職を失ったとしても規制委の不合理さが白日のもとにさらされれば、悔いはない」
業界関係者の間では「規制委は自らの存在意義を示すため、敦賀をスケープゴートにしようとしている」との噂もささやかれる。規制委は敦賀原発真下の断層を活断層と断じるのであれば、原電の主張を科学的・技術的に否定できる根拠を示さなければならない。(藤原章裕)