ユーグレナといすゞ自動車の共同研究では、バイオディーゼル燃料で実際にバスを走らせる【拡大】
ユーグレナは2005年に設立され、その年にミドリムシの屋外大量培養に世界で初めて成功した。12年には東証マザーズへの上場を果たした。13年9月期の売上高は約21億円で、約1億7000万円の営業利益を確保しており、「期待先行型」が少なくないバイオベンチャーにあって業績は堅実だ。
とはいえ、目下の収益はミドリムシが豊富な栄養素を含むことを生かした食品の販売がほぼすべてを占める。残りは3月にスタートさせた化粧品事業だ。さらなる成長を遂げ、経営を安定させるには、燃料への採用が不可欠だ。
軽油は日本国内だけで年間約4000万キロリットルと膨大な量が消費されている。これが一部置き換わるだけで、食品や化粧品とは桁違いの収益が見込める。
同社はほかにも、航空機向けバイオジェット燃料をJX日鉱日石エネルギーなどと開発中で18年の技術確立、20年の事業化を目指している。ユーグレナの出雲充社長は今回の共同研究について「(自動車向けでもいすゞという)強力なパートナーが得られた」と喜び、早期の実用化に意欲を示す。(井田通人)