景気回復ムードを背景に、ビール各社の競争の中心は高級ビールに移っている。サントリーは、プレモルの派生商品にも注力している。一連のブランド戦略を担当するプレミアム戦略部の馬場直也課長は「三本の矢がそろった」と力を込める。
まず13年、秋季限定発売した「コクのブレンド」が一時品切れとなるほど好調だった。レギュラー品と黒ビールのプレモルをブレンドして“寝かせる”新製法の商品で、新プレモルの試作に参加したウイスキーブレンダーのアイデアをヒントに生まれた。
今年5月発売の「香るプレミアム」も、すでに販売計画を50%も上方修正。こうして、プレモルの持ち味である香りとコクを、春秋それぞれの季節に売り出す限定商品によってアピールしていくラインアップが整った。
もう一本の「矢」は、プレモルの前身「モルツスーパープレミアム」を発売した1989年まで遡(さかのぼ)る営業活動だ。
ビールの命である「泡のきめ細かさ」を保つため、サントリーは一貫して、飲食店に置くサーバーのメンテナンス指導に注力し、独自に「達人店」「超達人店」を認定してきた。馬場さんは「そうした地道な取り組みがプレモルファンの拡大に結びついてきた」と強調する。
プレモルを刷新した岡さんは「ビールは、出荷段階では半製品。口に入る時点で初めて完成品になる」と力説する。商品価値を最大限に高めるための活動は今後も続く。
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