≪TEAM≫
「球場からホテルに帰って、まずは1本です」
今年1月、サントリー酒類が衛星放送(BS)限定で放映を始めたCMが注目を集めた。米大リーグのボストン・レッドソックスで活躍する上原浩治投手が出演し、「ザ・プレミアム・モルツ(プレモル)」の魅力や、飲みたくなる状況を60秒間にもわたって語る、ビールのCMとしては異色の内容だ。
「プレモルが持つ価値を、視聴者にじっくり伝えるため考え出した新しい手法です」と説明するのは、宣伝担当やマーケティング担当など、十数人のチームを率いるビール事業部プレミアム戦略部の馬場直也課長。システム部門や缶チューハイの新製品開発などを経て、昨年春からプレモルのブランド力向上・浸透に向けた活動を一手に取り仕切っている。
CMはチームの一人が偶然、上原投手を密着取材したテレビ番組でプレモルを飲んでいたのを発見したことがきっかけとなり、発案したという。競合各社との“プレミアムビール戦争”が激しさを増す中、「プレモルのブランド価値がかすまないよう、丁寧に訴求していかなくては」と馬場さんはハッパを掛ける。
その一環として6月中旬まで約1カ月間、東京・六本木ヒルズで開いた期間限定バー。ビール分野では初の取り組みだったが、26日間で8万杯以上を販売。専門家が約50分間かけて「泡の違い」などを解説するテイスティング講座も、連日予約が埋まった。「こうした顧客との接点をもっと増やせないか」と、次の一手に知恵を絞る。
中元・歳暮商戦での販売拡大も重要なミッション(使命)だ。入社9年目で初めてギフト担当に就いた同戦略部の安永翔さんは「ギフト販売は、贈る側と贈られる側の双方にアピールできる点で重要な接点」と気を引き締める。今年はキリンビールも新商品を投入、ギフトビール全体に占めるプレミアム品の比率が6割に達する見込みで、「売り場での注目度も例年以上に高まっている」(安永さん)と、店舗回りに余念がない。