昭和57年の創業以来、初の赤字に転落することを6日に発表した牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーホールディングス(HD)。人手不足問題が業績を大きく押し下げたが、同時に、同社がこだわってきたすき家の24時間営業というビジネスモデルの見直しも迫られている。“ブラック企業”の汚名をそそぎ、外食産業のリーダーとなることを標榜(ひょうぼう)したが、試練が相次いでいる。
株価は年初来安値に
7日の東京株式市場でゼンショー株が急落。6日の終値995円に対し、910円で寄りつき、一時前日比8.9%安い906円まで下げた。5月28日に付けた年初来安値960円を大きく下回った取引となった。
6日に今期(平成27年3月期)の連結最終損益予想を期初の黒字41億円から、13億円の赤字に転落する下方修正を発表。年間配当も1株当たり16円の予定を半減させると公表し、投資家が嫌気した。
6日夜の会見で、小川賢太郎会長兼社長は、しきりにハンカチで顔や首の汗をぬぐった。初の赤字決算の発表という重圧に加え、労働環境の抜本的な見直しを図ることを表明し、神経質になっているようだった。