これは、上海-サンフランシスコ間を100分で到達できる速度だ。実際には、加減速が必要なので、それよりも時間はかかるはずだが、それでも速いことには間違いない。飛行機よりも潜水艦の方が速いというのは衝撃的ですらある。
しかし、この技術には2つの大きな問題がある。一つは、この泡を発生、維持させるためには、時速100キロメートルほどの初速が必要になる点。もう一つは、通常、潜水艦はラダーを操舵(そうだ)して方向を変更するが、超空洞技術を利用するには、ラダーも含め泡で覆う必要があるため、かじが一切切れなくなってしまうという点だ。そのため、これまでこの方法は直進させる魚雷にしか適用できなかった。
超強力エンジン必要
そこでFengchen教授らが考案したのが、まず潜水艦を特殊な液体の膜で覆うというものだ。もちろん、水中でこの膜は次第に剥げ落ちるが、低速時の水の抗力を大幅に減らせる。