補聴器の国内出荷台数【拡大】
高齢化の進展で需要が見込める国内補聴器市場で、国内メーカーと海外メーカーの攻防が激しさを増してきた。国内市場の規模は欧米並みに普及が進むと約300億円から数千億円に膨らむ可能性がある。福祉先進国を背景に高い技術力で強化を図る海外勢に対し、国内勢も普及の妨げになっている補聴器のネガティブなイメージなどを払拭しようと、装着したまま洗髪できるよう防水機能を強化したり、色彩を重視したりするなど、工夫を凝らしている。
斬新なアイデア競う
国内最大手のリオンは高齢者が使いやすいような改善に注力する。7月に発売した耳かけタイプ「スプラッシュ」は防水機能を強化し、入浴やランニングをするときでも装着できる。
同社事業企画部の宗崎正部長は「今のシニアは元気で行動的。幅広く屋外利用ができるよう耐久性を向上した」と話す。同社の予想より2割増しの勢いで売れている。1日には公益財団法人日本デザイン振興会の「グッドデザイン賞」に選ばれた。