働く女性のニーズに応えるようなコンビニが、神戸・三宮のビジネス街にオープンした。レジで勘定を終えた女性客がその“足”で向かうのは、同じ店内のシューズ売り場だ。「神戸の履き倒れ」を地でいくようなこのコンビニ、果たして靴は売れているのだろうか。コンビニは国内に約5万店がひしめき合い、特に都市部では飽和状態になっているともいわれる。そんなコンビニ業界の生き残りをかけたユニークだが、シビアな取り組みを追った。(小松大騎)
ローソンと靴店のコラボ
「コンビニと靴屋の連携は全国的にも珍しい。ビジネス街に気軽な靴屋があれば、働く女性は立ち寄りやすいのではないか」
ローソン神戸市役所西店(神戸市中央区)内に7月末にオープンした女性靴専門店「SimpleStyle(シンプルスタイル)」の谷山貴祐社長は胸を張る。
このコンビニの主な客層は40~50代の女性。近くに神戸市役所があるため、休み時間には昼食を買いに来る女性職員、夕方には仕事帰りの女性会社員らが立ち寄る。店員の丸山沙織さん(27)は「もちろん『なんでコンビニの中に靴があるの』と驚くお客さんも多い」と打ち明ける。店内の一角はまるでおしゃれなシューズショップの趣なのだ。