自動車エンジニアの水野和敏氏。後継エンジニアの育成に奔走している【拡大】
--GT-Rで実現したことは
「GT-Rは『新次元のマルチパフォーマンス・スーパーカー』。サーキットやアウトバーンを高速で走行できるうえ、4人乗りでトランクルームも広い。雪道や濡れた路面でも安定して走れる普通のクーペだ。フェラーリやランボルギーニといったスーパーカーは対象が限定される特別の存在だが、それを日常の世界に持ってきた。新しいジャンルを創ったわけで、07年の発売から1年で世界のスーパーブランドになった」
--GT-Rを通じて発信したかったことは
「日本がものづくりで復活する手法を提示したかった。私が嫌いなのは思考力ゼロ。日本経済停滞の要因でもある。今の日本企業は新しいものを創るのではなく、市場分析・競争力分析で比較しているだけ。思考力ゼロで価格競争を仕掛けるからデフレ商品しか作れない。GT-Rは思考力をもつ日本でしか創れない商品として発表した。支えてくれたのはチーム。米国型の組織では仕事がオーバーラップしない。棟梁(とうりょう)と仲間といった関係をつくり、1人で何役もこなすことで難題も解決できる」