■2年連続ベア要求は困難?!
愛知県豊田市。18日に開かれたトヨタ自動車労働組合の定期大会で鶴岡光行執行委員長の発言に注目が集まった。
トヨタの春闘が相場に影響を及ぼすからだけではない。前日(17日)に労働組合の中央組織である連合が来年の春闘で「2%以上」のベースアップ(ベア)を要求するとの基本構想を発表したからだ。
今年の春闘で求めた「1%以上」に1ポイント積み増した平成10年以来、17年ぶりの高水準。定期昇給(定昇)を加えた賃上げ率は実に4%以上にのぼる。トヨタ労組も2年連続で賃金改善分(ベアに相当)を求めるのか-。
「上部団体の方針や物価動向などを踏まえ、地に足のついた議論を進めていく」。慎重に言葉を選びながら話した鶴岡氏だったが、それでも一部のメディアは『来年もベア要求を検討』と報じた。もちろん、トヨタ労組も自動車総連、全トヨタ労働組合連合会が今後決める方針の下、議論を深めるだろうが、ことはそう簡単ではない。
SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「連合の要求は常識的に難しい」と指摘。2%以上という目標もさることながら、何よりも2年連続のベア要求に企業の多くは難色を示すだろう。