共同プロジェクト「日本アニメ(-ター)見本市」について語るドワンゴの川上量生会長(右)とカラーの庵野秀明監督【拡大】
壇上に川上会長を迎えた庵野監督は、カラーとドワンゴがそれぞれに持ち味を出し合って始める今回のプロジェクトの意義について、「KADOKAWAさんよりずっと分かりやすいでしょう」とアピールした。KADOKAWA・DWANGO発足の意義に懐疑的な人が少なくないこと踏まえ、川上氏やKADOKAWAの角川歴彦会長と旧知の庵野監督が口にしたユーモアだが、これに場内から笑い声が起こるくらい、統合効果の分かりにくさは広く知られてしまっている。
統合を翌日に控えた9月30日、KADOKAWA・DWANGOの佐藤辰男社長と川上会長がそろって会見した場では、統合に批判的な漫画原作者・批評家の大塚英志氏が、インタビューに答えて「5年後に離婚しているか、両方とも沈没している」と指摘する映像が流された。
こうした声を浴びながらも、統合効果について「僕もよく分かってないです」と答えてしまう川上会長のパーソナリティが、ビジネスに厳格さを求める層にKADOKAWA・DWANGOの行く末を案じさせている。