「インディアナ・キッチン」ブランドのベーコン。三菱商事の米子会社がスーパーなどで販売している【拡大】
三菱商事が米国子会社を通じて、中堅の豚肉加工会社クインシー・ストリート(ミシガン州)を買収したことが13日、分かった。買収額は明らかにしていないが、数億円規模とみられる。買収によりハム・ソーセージなど加工食品に本格参入し、成長する米国市場を攻める。米国では豚肉処理・加工会社をめぐる大型買収が相次いでおり、処理から加工、販売までの一貫体制を構築し、勝ち残りに向けて先手を打った格好だ。
三菱商事が8割、伊藤ハムが2割を出資する豚肉処理・加工会社インディアナ・パッカーズ(インディアナ州)を通じてクインシーを買収した。
インディアナは安全・安心な衛生管理技術を強みにクインシーなど加工会社向けの豚肉(枝肉)生産が大半を占め、消費者向けは「インディアナ・キッチン」ブランドで販売するベーコンだけだった。クインシーを傘下に収めることで、ハムなど商品ラインアップを増やし、まずは中西部を中心にブランド展開を本格化する。
1991年操業開始のインディアナはかつて生産量の大半が日本向けだったが、現在は約75%を米国中西部を中心に販売している。