国内造船各社による液化天然ガス(LNG)運搬船が、開発ラッシュを迎えている。国内の原発稼働停止が続く中、代替の火力発電所の燃料としてLNGの需要が増えているほか、将来的には米国からシェールガスの輸入需要も出ると見込まれるためだ。日本勢は、1社で年間10隻以上の建造能力を持つ韓国勢に劣勢に立たされてきたが、省エネ技術などの高付加価値を武器に攻勢に出る。
三菱重工業は27日、シェールガスを運ぶ際に通過する新パナマ運河のような狭い航路を通過でき、大容量化と燃費向上を実現する次世代型LNG運搬船「サヤリンゴSTaGE(ステージ)」を開発したと発表した。
LNGを入れるタンクの形状は、上部が膨らんだ「リンゴ型」を採用。船幅は約49メートルにして、北米産シェールガスを運搬する際に通過する新パナマ運河の航行制限をクリアした。LNGタンクの容量は、前機種比約16%増の18万立方メートル。高効率蒸気タービンとガス炊きが可能なエンジンを組み合わせたハイブリッド化により、燃費効率などを大幅に向上させた。