ソニー、マネックス証券を経て、2012年5月にマネーフォワードを設立した。学生時代に起業し、早いうちに成功したミクシィの笠原健治会長に比べると“遅咲き”の分、「この世代の典型に近いかもしれない」という。
マネックス証券での最後の肩書は、マーケティング部長兼最高執行責任者(COO)補佐。そのままいれば取締役も夢ではなかったはずだ。実際、辞めるに際しては、その手腕を高く評価する松本大(おおき)社長に強く慰留されたという。
辻社長は「経済的成功を求めるなら確かに大企業にいた方がいいし、それが当然だった」と言い切る。にもかかわらず地位をなげうったのは「お金のサービスを広めるという夢を優先したから」だという。
ナナロク世代はバブル景気をほとんど体験していない。1990年代半ばの学生時代には未曽有の就職氷河期に直面。社会人になってからも、大企業ですら経営が安定しない現実を見せつけられた。