ジェットスターは、関空での機体整備の体制づくりの遅れで増便が延期となり、6月上旬に予定していた増便分の101便が欠航。春秋航空日本も、当初は5月末を予定していた就航時期を2度にわたり延期した。国内LCCは文字通り“総崩れ”の様相を呈した。
■国際線進出 訪日客取り込みが重要
懸案だったパイロット不足はピーチ、バニラとも病欠者の復帰や追加採用などで確保し解消した。しかし、大手旅行会社首脳が「国内LCCの最大の課題は安定運航」と語るように、外部からは厳しい声が聞こえてくる。
日本では、公共交通機関が定時で動くのは当たり前という空気が強い。安定運航の体制を構築し、利用客の信頼を獲得する上で、各社がこなすべき宿題は少なくない。こうした中、来年は国内LCCがもう1社増え、5社体制になる予定だ。
新たに参戦してくるのは、アジア最大のLCCであるマレーシアのエアアジア。既に楽天などと異業種連合を組んで新生エアアジア・ジャパンを設立。中部空港を拠点とし、来年1月にも航空運送事業の許可を国交省に申請するとみられる。