「電力自由化の競争時代に、まだ病院のベッドに寝たままの病人の状態」。金融関係者は関電の現状をこう表現する。そして、関電が“弱っている”間に東からの脅威が迫ってきた。
26年12月上旬、京都府が総合庁舎など34施設の電力調達先を決めるため実施した入札結果は、電力関係者を驚かせた。落札したのは東京電力の子会社、テプコカスタマーサービス(TCS)。東電が、関西の自治体に電力を供給するのは初めてとみられる。
TCSは26年秋以降、関西の電力関係者にとって名前が知れ渡るようになった。手始めは家電量販店。TCSは10月から、関西や中部のヤマダ電機62店舗、さらにケーズホールディングス(HD)の関西20店舗で電力供給を始めた。そして自治体へ。
「いよいよ計画を本格的に実行に移してきたようだ」。関西の電力関係者は身構える。東電は、新総合特別事業計画(再建計画)で、首都圏以外で3年後に340億円、10年後に1700億円の売上高を目指す方針を打ち出した。