昨年末明らかになった石油元売り2位の出光興産による5位の昭和シェル石油の買収交渉。石油製品の国内需要が減少する中、経営規模の拡大で競争力を高めるのが狙いで、今春にも基本合意を目指す方向だ。しかし家族経営色の強い出光と外資系の昭シェルでは企業文化が大きく異なる。とくに買収される側の昭シェルに戸惑いと不安が広がっており、交渉が難航することも予想される。
■消える?貝殻マーク
「一番気になるのは店のマークがどうなるのか…」。ある昭シェル系のガソリンスタンドの関係者は不安を隠さない。
昭シェル系のガソリンスタンドといえば「貝殻」のマークでおなじみだ。店側の愛着は強いが、仮に出光に買収されれば、このマークの扱いがどうなるかは分からない。
2010年に新日本石油と新日鉱ホールディングスが経営統合しJXホールディングスが誕生すると、最大手である新日石のブランド「ENEOS」は残り、新日鉱の「JOMO」が消滅した歴史もある。