人の役に立つ仕事をしたいと、小さいころから看護師を目指していた。転機となったのは高校3年のとき、理学療法士がリハビリ指導しているテレビ番組を見たことだった。「リハビリはトレーニングにも似ていて、スポーツ好きの自分に合っている」と専門学校に進み、理学療法士になった。
病院などの医療機関で10年勤務。しかし「他の職種との業務連携が少なく、利用者の立場に立っていない」と現状に疑問を持ち、2001年に自宅の一室で訪問看護の会社を立ち上げた。
当時、リハビリは病院か通所施設で行うのが一般的で訪問は珍しかった。しかしすぐに引っ張りだことなる。連日、朝8時から夜8時まで1日9軒を担当するほどだった。「予約が取れない利用者から、『何時でもいいから来てほしい』といわれたこともある」と振り返る。
◆高校で養成講座
リハビリが必要な人は外出が困難で、病院や施設に通うことも大きな負担になっていた。このため表に出てこなかったニーズを掘り起こした。その後、利用者の求めに応じて通所施設などを次々と開設していく。
厚生労働省によると、25年には介護職員を12年比で60%増加させなければならない。人材不足は深刻だが次世代育成のため、高校でのヘルパー養成講座の講師を務めるほか、昨年から高校新卒者を採用している。「やりがいや意義を実感して、介護職を志してもらいたい。このため、小中学生の職場見学も受け入れている」と豊かな高齢化社会の実現を目指す。(佐竹一秀)
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