ネット証券4社による投資信託の共同イベント「ネットでNISAフォーラム」=2月14日、東京都墨田区【拡大】
稼働率が低迷する要因の一つとして、NISAスタート時の口座開設事務手続きに時間がかかりすぎたことが挙げられる。各社は口座開設の事務作業が集中し、最長3カ月程度かかる場合もあったという。
さらに日経平均株価がNISAスタート時の1万6000円台から、1カ月足らずで一時1万4000円台に下落し、口座を開いた投資家の心理を冷やした可能性も。「各社が激しい口座開設獲得を繰り広げたツケが回ってきた」との声もある。
「証券会社の営業マンに強く勧められたから」「テレビCMを見て、自分もやらないと損するような気がした」
口座を開設した人からはこんな声も漏れる。強い勧誘やつき合いで口座開設したケースも見受けられ、必ずしも投資に積極的な顧客ばかりではなかった。結果的に顧客対応がおろそかになり、これも休眠口座の増加につながっている面もあるようだ。
最大手の野村証券の口座数は昨年末時点で146万口座。持ち前の営業力で口座数を積み上げたが、稼働率は40%台で推移しているとみられる。