ネット証券4社による投資信託の共同イベント「ネットでNISAフォーラム」=2月14日、東京都墨田区【拡大】
一方、ネット証券は投資信託の販売にNISA口座の盛り上がりを託す。ネット証券に限れば、NISA口座の稼働率が60%以上の証券会社もあるが、その多くは株取引。認知度の低い投信販売をアピールするため、4社共同イベントを開催した。
ネット証券は金融グループにあまり縛られず、多くの商品を取り扱える。豊富な商品ラインアップと手数料の安さを売りに販売を伸ばす戦略だ。SBI証券の高村正人社長は「選択肢が多く、顧客志向に合わせて運用商品を選べる」と強調。マネックスの松本社長も「銀行で販売している投信よりも手数料が安い」と優位性をアピールする。
今年に入り、株式市場をめぐる環境が好転しているのも、NISA普及を後押ししそうだ。12日の日経平均株価の終値は前日比267円59銭高の1万8991円11銭と約14年11カ月ぶりの高値だった。個人投資家の投資判断に好印象を与える株主優待を実施する企業は、2月末で全上場企業の31.1%に当たる1196社となり、過去最多となった。16年には非課税枠が120万円に増え、子供版のNISAも始まるなど、制度の使い勝手も良くなる。NISA2年目の今年は、業界として成果を問われる節目の年となりそうだ。(大島直之)