米国の電気自動車ベンチャー、テスラ・モーターズの工場。ロボットによる生産が随所に取り入れられている=1月、米カリフォルニア州フリーモント【拡大】
■業種超えた開発競争 普及加速期待
「米アップルが電気自動車(EV)を開発」
2月13日、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたニュースが世界を駆け巡った。WSJによると、ミニバンのようなデザインのEVで、プロジェクト名は「タイタン」。数百人態勢で開発に取り組んでいるという。株式市場はすぐに反応、アップルの株価は最高値を更新した。
だが、3月10日に開催されたアップルの株主総会で、ティム・クック最高経営責任者(CEO)はEV開発について、言及せず、真相は分からないままだ。
日産、アップル歓迎
アップルのEV参入報道について、日産自動車のホセ・ムニョス副社長は「(環境問題の)唯一の現実的な解決策だと考えているからではないか。携帯電話やiPad(アイパッド)と同じくらい、日常の一部になろうとしている」と歓迎した。
EVは既存の自動車メーカーだけのものではない。米カリフォルニア州フリーモントにあるEVベンチャー、テスラ・モーターズの工場には「アイスマン」や「ビースト」など、映画「X-メン」の登場キャラクターの名を冠した大型ロボットが並ぶ。EVを組み上げる産業ロボットだ。
一体が車体を持ち上げ、別の一体がモーターなど重量の大きい部品を組み付ける。作業が終わると別の一体が再び車を持ち上げ、レーンに戻す-。テスラのプログラムマネジャー、アダム・スラッサー氏は「EVは部品が少なく、設計が簡素だから、ロボットでの組み立ても容易だ。ガソリン車ではこうはいかない」と説明する。
エンジンの代わりにモーターやバッテリーを搭載するEVは、電機・IT(情報技術)と親和性が高い。