資本分離の是非をめぐる政官財を巻き込んだ議論の末、NTTは1999年に持ち株会社と、持ち株会社が100%の株式を保有したままの東西の地域通信、長距離・国際通信に分社した。しかし、電話を主体に考えられた分社態勢と市場支配的事業者規制は、新たな市場で成長するKDDIやソフトバンクなどとのいびつな競争環境を招いた。
05年から14年までソフトバンクの社長室長を務めた元衆議院議員の島聡ソフトバンク顧問は、孫社長とともに10年に光サービスの100%普及を目指した「光の道」構想を推進し、NTTの光回線設備を分離すべきだと説いたが、その主張は実現しなかった。しかし「ソフトバンクという企業が通信市場に残ったことは競争政策の成功を意味する」と振り返った。(芳賀由明)