健康被害を強調したたばこを陳列するオーストラリアの売り場【拡大】
明治大学法科大学院の高倉成男教授は、「適正な補償もなく『商標の使用禁止』という手段をとったのは比例性の原則に反するのではと考えるが、豪州PP法をWTO違反とする結論が出されるのも考えにくい。『公衆衛生は経済的価値に常に優先する』といった硬直的価値判断に基づく解決はあってはならず、商標使用禁止の必要性や有効性、重要性と規制によって生じる財産権の制約の均衡が取れているのかどうか、きめ細かな判断が求められる」と指摘する。
そのうえで、「グローバル化でもたらされた知的財産などの経済的価値の保護強化に対し、公衆衛生などの非経済的価値を保護する国内規制の衝突。WTOにおける商標権の国際保護とPP法の関係は、医薬品開発の特許保護とエイズ対策などにも通じる」とみている。
飲料、酒類波及も
PP法については、WHO(世界保健機関)のマーガレット・チャン事務総長が2013年、「たばこだけではなく、巨大な食品、炭酸、アルコール(会社)と戦わなければならない」と発言。インドネシアでは昨年、アルコール飲料メーカーに対し、簡易包装を採択するか、目立つ部分に摂取を控える注意書きの図を表記するかを求める法案を提出している。