日本の鉄道部品、問われる海外戦略 新規参入“妨げる”コストや規制の壁 (1/4ページ)

2015.5.13 06:31

3月12日、英国のサウサンプトン港に陸揚げされる日立製作所が製造した高速鉄道用車両。鉄道市場は世界的に拡大が見込まれている

3月12日、英国のサウサンプトン港に陸揚げされる日立製作所が製造した高速鉄道用車両。鉄道市場は世界的に拡大が見込まれている【拡大】

 ■【世界へ 日本テクノロジー】高速鉄道を支えるものづくり(下) 旅客向け設備に新規参入活路

 鉄道市場は成熟期を迎えている国内では大きな伸びは期待できないものの、世界的には新興国を中心に高い成長が見込まれ、日本の関連メーカーは大企業だけでなく中小企業も国際的な展開を迫られている。ただ、海外では鉄道システム全体を対象としたプロジェクトも多く、単独で食い込もうとしても欧州では現地の大手などに太刀打ちできず、新興国ではコスト面で競争力に劣る。受注できれば長期の取引となる可能性が大きいだけに、新幹線向けに培った高い技術力を生かし、新規参入を実現する戦略が問われている。

 鉄道部品の国内市場は5000億円程度とされ、造船や自動車部品と比べて1桁から2桁も小さい。もっとも、鉄道は車両だけでなく、線路や信号、トンネル、橋梁(きょうりょう)のほか駅の改札システムに至るまで関連する事業領域が広い。欧州鉄道産業連盟によると2015~17年の年平均で世界の鉄道関連の市場規模は約23兆円に上る。開業後の点検や補修などのアフターサービスでも息の長いビジネスが見込める。

 輸送分野規制の壁

 JR東海などに鉄道各社に特殊ねじ「絶対に緩まないナット」を納めているハードロック工業の若林克彦社長は「いったん受注すれば取引は長期にわたり、経営的なメリットは大きい」と話す。新幹線の先頭車両の形状をハンマーでたたいて整える「打ち出し板金」で知られる山下工業所(山口県下松市)も他の追随を許さない技術を持つだけに、受注分の製造作業は「19年まで見通しがついている」(山下竜登社長)という。

「3強」が圧倒的に強く、特に欧州では食い込む余地が少ないのが現状

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