3月12日、英国のサウサンプトン港に陸揚げされる日立製作所が製造した高速鉄道用車両。鉄道市場は世界的に拡大が見込まれている【拡大】
世界では新興国を中心に鉄道の新線計画が相次いでおり、3強に加えて、低価格を売り物にする中国勢が受注を競う。日本メーカーも日立製作所が英国の都市間高速鉄道プロジェクトで866両の車両製造と27年半にわたる保守を一括受注するなど攻勢をかけ、官民一体で鉄道のインフラ輸出を目指している。
日本国内なら鉄道会社のファミリー企業として受注できたとしても、海外で通用するとは限らない。このため、単独での参入を狙う部品メーカーもある。鉄道車両機器大手のナブテスコは2年前、シーメンス向けなどの鉄道車両ドアシステムを手掛けるイタリア企業を買収し、欧州での取引拡大を図っている。
付加価値アピール
一方、輸送に直接関わらない分野はハードルが低いといえそうだ。佐伯氏は「表示装置など旅客サービスに関わる領域の規制は厳しくなく、鉄道分野の中でも新規参入がしやすい」と話す。2000年以降、鉄道各社が導入したICカード乗車券の大半は、ソニーが開発した非接触IC技術「フェリカ」を搭載している。三菱電機やパナソニックなどはデジタルサイネージと呼ばれる駅構内の大型表示装置の受注を重ねている。