ロボットスーツを手がけるベンチャー企業、サイバーダインが15日発表した2015年3月期連結決算の最終損益は9億円の赤字(前期は6億円の赤字)だった。上場後初の通期決算となったが、研究開発費や上場費用がかさみ、赤字のスタートとなった。
売上高はロボットスーツ「HAL」の腰や単関節の新製品が寄与し、前期比38.3%増の6億円。営業損益は17億円の赤字(前期は11億円の赤字)だった。
16年3月期の連結決算見通しは、レンタル製品の販売拡大を見込み、売上高を58.5%増の10億円としたものの、最終損益は6億円の赤字を見込む。営業損益は研究開発費の変動が大きく非開示とした。
同社は、HALの保険適用に向けて、米食品医薬品局(FDA)、日本の薬事に申請中で、15年中の承認を見込んでいる。
宇賀伸二取締役最高財務責任者(CFO)は15日に開いた会見で「損益分岐点は20億円」としており、黒字転換は、保険適用で販売増が期待される来期以降となりそうだ。山海嘉之社長も「マイナスが減るのは来期」との見方を示した。