パナソニックが太陽電池の生産能力を強化する滋賀工場=大津市【拡大】
一方のシャープはかつて太陽電池で世界シェアトップだったが、低価格な中国メーカーとの競争激化などで採算が悪化。主力の堺工場(堺市)は稼働率が低下し、27年3月期に100億円近い特別損失を計上した。一時は撤退も検討されたが、需要の落ち込みが少ない住宅用を重視する戦略で再出発している。
ただ、太陽電池は20年以上使用することが前提となるため、住宅用では特に信頼性の高さが重視される。長期にわたるアフターサービスも必要で、金融機関からの資本支援で経営再建を目指すシャープは販売現場で苦戦している。実際、太陽電池を扱う工務店などでは、パナソニックなど他社製品に乗り換える動きが加速しているという。
シャープよりひと足先に経営危機から復活したパナソニックは、この機会に購入者を対象にした総額9億円のキャッシュバックも実施。ライバルの不振を横目に戦略的な投資でシェア拡大を目指す。