日本原子力発電の社長に内定した村松衛氏【拡大】
日本原子力発電が21日発表した平成27年3月期の連結決算は、最終損益が30億円の赤字(前期は16億円の黒字)となり、2期ぶりに赤字転落した。原発停止に伴う核燃料の保有量調整で、特別損失約44億円を計上したことなどが響いた。
また、浜田康男社長が相談役に退き、後任に東京電力出身の村松衛副社長が6月末に昇格する人事も発表した。経営陣を刷新し事業の多角化など経営改革を進める狙いだが、原発の再稼働が見通せないなか、道のりは険しい。
会見した浜田社長は、原子力規制委員会が原子炉直下に活断層があると指摘した敦賀原発2号機(福井県)について、「夏~秋に安全審査を申請する」と述べた。原発の再稼働を進めることで、業績改善につなげる考えだ。
だが、保有する3つの原発はいずれも停止中で、再稼働のめどは立たない。老朽化した敦賀1号機は廃炉を決定済み。
このため、原電は廃炉支援や海外展開など事業を拡大し、収益基盤を強化する方針だ。すでに東電の福島第1原発に人材を派遣し廃炉作業を支援するなど、発電以外の事業にも力を入れる。新社長に就任する村松氏は出身である東電などと連携し、こうした経営改革を進めることが課題だ。
ただ、発電以外の事業でどこまで収益力を高められるかは未知数だ。浜田社長も廃炉支援などについて「事業規模の話はできない」と述べるにとどめた。電力9社が出資する原電の経営が行き詰まれば、国内の原発事業の再編にまで発展する可能性もある。
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日本原子力発電は21日、浜田康男社長(65)が相談役に退き、村松衛副社長(59)が社長に昇格する人事を内定した。村松氏は東京電力の出身で、保有原発の再稼働に取り組む。6月30日の株主総会後に就任する。
浜田氏は関西電力の出身で事業の多角化を目指す経営計画を3月に策定した。
村松 衛氏(むらまつ・まもる)慶大卒。78年東京電力。常務執行役などを経て14年6月から日本原電副社長。横浜市出身。