新興国向けの戦略トラックなどを発表した三菱ふそうトラック・バスと独ダイムラーの関係=27日、インド・チェンナイ(松岡朋枝撮影)【拡大】
三菱ふそうトラック・バスは27日、親会社である独ダイムラーのアジアトラック部門と共同で鉱山での走行に適した大型トラックの新型車を発表した。新興国向け戦略車としてインドで生産し、現地のほかアジアや中南米などにも売り込む。スズキが新工場を建設するなど、自動車大手のインドを輸出拠点とする動きが広がっている。
三菱ふそうが発表したのは「バーラト・ベンツ3143」。総重量は48トンで、430馬力のエンジンを搭載。鉱山の急勾配や未舗装道路でも力強い走りが可能で、資源開発やインフラ整備の進む新興国の需要開拓を目指す。
三菱ふそうとダイムラーはインドで製造したトラックをすでにアジア、アフリカなど12カ国に輸出。今年は中南米や中東にも広げる計画で、ダイムラーのトラック部門責任者のウォルフガング・ベルンハルト氏は「インドは有望な市場だけではなく輸出ハブ(拠点)でもある。政権は製造業をIT(情報技術)産業のように成功させるとしており、引き続き投資を続ける」と述べた。