26歳開発責任者が込めた思い
ホンダが発売した軽自動車の新型スポーツカー「S660」。同社最年少開発責任者のもと、若手メンバーが中心となって開発にあたった。東日本大震災で拠点となる研究所が被災する困難を乗り越えての開発。ホンダにとって19年ぶりの軽スポーツカーに若手が込めた思いとは。開発責任者の椋本陵さん(26)に聞いた。
--軽自動車のスポーツカーにこだわった
「愛車はホンダのスポーツカー、S2000。無理をして買った車だが、『乗せていただいている感』がぬぐえなかった。人が車を操っている感覚が味わえる、コンパクトなスポーツカーを求めて社内の新商品企画コンペに応募した。軽スポーツカーは過去にも発売されているが、普通車のスポーツカーに比べて長く所有されている。維持費の安い軽であれば、末永く愛される車になると思った」
--提案が社内コンペでグランプリを獲得し、開発責任者に指名された。しかし、開発を始めた直後に東日本大震災が発生。拠点の本田技術研究所四輪R&Dセンター(栃木県芳賀町)も被災した