経団連は2日、定時総会を開き、岡本圀衛・日本生命保険会長ら6人の新任副会長を選任し、就任2年目を迎えた榊原定征会長の新体制をスタートさせた。榊原会長は総会のあいさつで、「デフレ脱却を確実に実現するため、あらゆる政策や手立てを総動員すべき極めて重要な時期」と語り、この1年が経済再生に向けた正念場になるとの認識を示した。
来賓の安倍晋三首相は、賃上げの取り組みなどを評価し、「経済の好循環は新たなステージに入り、その主役は生産性向上などの民間の設備投資だ。経営者の大胆な決断を求めたい」と、賃上げに続き企業の設備投資拡大も求めた。
今回の総会では、9人の副会長退任に対し、新任は6人。各種政策を立案する委員会も、10委員会を減らすなど約20年ぶりに大幅な統廃合に踏み切った。
今年1月に発表した「経団連ビジョン」実現のために、より実務的な体制を敷いていく。初の女性役員として、会長の諮問機関である審議員会の新任副議長に、BTジャパンの吉田晴乃社長を選ぶなど女性活用推進も図る。
この1年、榊原会長は、急ピッチで経団連改革に取り組んできた。特に米倉弘昌前会長時代は政権との関係が疎遠だとされたが、榊原会長になり安倍政権との連携強化に力を注いだ。
就任直後に政治献金の呼びかけ再開を決めたほか、首相外遊への同行などで関係を改善。その中で、経済界が長らく求めてきた法人税実効税率の引き下げが「安倍首相の英断」(榊原会長)で決まったほか、経済財政諮問会議の民間議員に榊原会長が選出されるなど関係が深まった。
政権に近すぎるとの批判に対し、榊原会長は「政治と経済は車の両輪。車軸で一定の距離を保ちながら、互いが回ることで(車が)前に進む。相手の言いなりになっているわけではない」と語る。さらに「デフレ脱却、経済再生について、政府と経団連など経済界の方向は完全に一致する」と強調する。
榊原会長は総会で当面の重要課題として、財政健全化や、原発再稼働などのエネルギー問題、地方経済の活性化などを挙げた。その上で、デフレ脱却後の持続的な経済成長をにらみ、少子高齢化による人口問題が中長期の大きな経済・社会課題になると懸念している。