■能力主義、20代の管理職も 製品開発は「スピード」重視
仙台に本社を置くアイリスオーヤマが家電に本気を出し始めた。本腰を入れて家電に取り組み始めたのは、2009年からなのにもかかわらず、今や売り上げの4割を占めるほど急成長している。大阪には大手電機メーカー出身者ばかりを集めた家電のR&Dセンターを作るなど、その取り組みは本気だ。今回、宮城県角田市にある同社の重要拠点、角田I.T.P./角田工場に足を運んだところ、アイリスオーヤマの強さの一端が見えた。
「体育会系」の会社
印象を一言で述べるなら「体育会系」の会社だということ。これまでいろいろな電機メーカーの本社や工場に足を運んできたが、アイリスオーヤマはそれらとは一線を画している。特にユニークなのは、アイリスオーヤマならではの慣習。今回はその慣習とともに、アイリスオーヤマという会社を紹介していこう。
まず驚いたのは、会長の大山健太郎氏が昨年、就任50周年を迎えたということ。個人でやっている小さな会社ではない。グループ従業員合計約8600人、総売上高3030億円の大企業だ。50年間トップが変わらないというだけでも、大山会長のカリスマぶりがうかがえる。