万年筆「自分の色」がブーム カラーインク販売急増、ブレンダーも活躍 (2/5ページ)

2015.7.20 07:45

インク工房でインクを混ぜながら、お客の好きな色を作り上げるセーラー万年筆のインクブレンダー、石丸治氏(左から2人目)=5日、東京都千代田区

インク工房でインクを混ぜながら、お客の好きな色を作り上げるセーラー万年筆のインクブレンダー、石丸治氏(左から2人目)=5日、東京都千代田区【拡大】

  • パイロットが販売している「色彩雫」シリーズ(同社提供)

 こうしたやりとりを8回繰り返して納得の色に仕上がると、カクテルシェーカーに同じ割合でインクを投入しシェーカーを振り、完成したオリジナルインクを50ミリリットル入りの瓶にぴったり収めた。結婚式のエンディングに使ったという大好きな曲を、その色の名前にした女性は「一番幸せな結婚式当日の青空をイメージした」とうれしそうに語った。

 イメージに合わせ

 石丸氏はインクを通じて万年筆の楽しさを広めるため05年に工房を開始。「欲しい色のイメージがつかみ切れていないお客さまが多い」(石丸氏)ため、会話を大事にしながら12色のインクを調合して好みの色を作り出す。再注文に応えられるように、レシピ帳には1万2000を超える色のデータが残されている。石丸氏は「100人100色。誰もが喜んでくれる」とシェーカーを振り続ける。

 納得できるまで付き合ってくれる石丸氏のファンは多く、熱狂的な「追っかけ」も出現。今回の工房でも3日間全てに足を運んだ女性や、前週から合計5色を新たに作った女性が来ていた。

石丸氏にオリジナルインクを求めるのは個人だけではない…

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