万年筆「自分の色」がブーム カラーインク販売急増、ブレンダーも活躍 (3/5ページ)

2015.7.20 07:45

インク工房でインクを混ぜながら、お客の好きな色を作り上げるセーラー万年筆のインクブレンダー、石丸治氏(左から2人目)=5日、東京都千代田区

インク工房でインクを混ぜながら、お客の好きな色を作り上げるセーラー万年筆のインクブレンダー、石丸治氏(左から2人目)=5日、東京都千代田区【拡大】

  • パイロットが販売している「色彩雫」シリーズ(同社提供)

 石丸氏にオリジナルインクを求めるのは個人だけではない。神戸市のナガサワ文具センターは、セーラーからOEM(相手先ブランドによる生産)調達して07年、オリジナルインク「Kobe INK(神戸インク)物語」(50ミリリットル)を発売した。

 阪神大震災からの復興を目的に、神戸の街並みを色で表現。「六甲グリーン」「波止場ブルー」「旧居住地セピア」の3色からスタートし、今や52色まで拡大した。6月に売り出した最も新しいインクは「塩屋ヴィンテージセピア」と名付けられたように、名前は神戸の魅力をイメージしたものばかり。

 ナガサワの竹内直行商品開発室長は「神戸の美しい街並みが好きで、その地域の色を求めてきた結果、万年筆インクでは断トツの色数を誇るまでになった」と振り返る。その上で、街の活性化に向け「続けてほしいという地元の声に応えるため、石丸氏とは次の色も打ち合わせ中」と53色目に取り組む。

国内外から引き合いも徐々に増加。竹内氏は…

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