パナソニックはさらに、エアコン事業の強化のため今年4月、事業部を超える権限を持つ社内組織「エアコンカンパニー」を設置。カンパニー長には吉田守常務(現常務役員)をあてる手厚い態勢でダイキン追撃への組織づくりを行った。
パナソニックの業務用エアコンの特徴は、室外ユニットの圧縮機をガスエンジンで動かす「ガスヒートポンプエアコン」の比率が高いことだ。21年に子会社化した三洋電機の技術を継承しており、群馬県と中国に工場がある。
ガスの価格が安い天然ガス産出国や電力供給に不安がある地域ではメリットが大きい。圧縮機を電気モーターで動かすタイプが主流のダイキンと差別化が図れるとみている。また、海外で販路の乏しい地域ではM&Aも視野に入れる。
注力する方式に違いはあるが、津賀社長はよく「エアコン事業のノウハウはダイキンを研究しろ」と指示を出しており、王者・ダイキンを意識している。吉田カンパニー長も「われわれは弱者との認識でまずは勉強させていただく。基本性能で負けると勝負にならないので、性能や独自性にはこだわりたい」と話す。