ウェザーニューズの航空会社向けサービスのモニター画面に映し出された台風10、9、11号(下部の中央左から)の雨雲。積乱雲が発達しているエリアなどを赤色で警告表示している(同社提供)【拡大】
日本の新型気象衛星「ひまわり8号」の運用開始などで精度が向上した気象情報を、ビジネスに活用する動きが本格化している。航空機や船舶の最適な航路の選択や食品などの需要予測の効率が高まり、コスト削減や二酸化炭素(CO2)の排出量削減、収益増につながる効果が見込めるためだ。気象情報サービス大手のウェザーニューズは航空会社向けの新しいサービスに乗り出し、日本気象協会は食品の無駄を省く支援ビジネスの事業化に着手。電力業界では発電量を予測し、燃料調達コストの削減に役立てる取り組みが活発化している。
データ格段に改善
カラー撮影にも対応するなど世界の気象衛星の中で最高の性能を持つひまわり8号の運用が7日に始まり、台風や熱帯低気圧などに伴う積乱雲の発達状況をほぼリアルタイムで把握できるようになった。これを受け、ウェザーニューズは航空業界向けに従来より精度を高めた運航支援サービスの提供を始めた。
発達した積乱雲が現れると航空機は安全性を考慮して迂回(うかい)ルートを取り、燃料の消費とともにCO2の排出量が増えるケースが少なくない。