ウェザーニューズの航空会社向けサービスのモニター画面に映し出された台風10、9、11号(下部の中央左から)の雨雲。積乱雲が発達しているエリアなどを赤色で警告表示している(同社提供)【拡大】
17年度以降は実証事業からビジネスの段階に移行し、地方ブロックごとに「需要開発センター」を開設。地域の気象情報を基に小売り店舗や食品メーカーに情報サービスやコンサルティングを展開する計画だ。具体的には時間帯別の来店客数や売り上げ予測のほか、生産・在庫調整や輸送手段の選定に役立つ情報を提供する。
一方、電力小売りの完全自由化を16年4月に控えて新規参入が進む電力業界では、太陽光や風力発電など天候に左右される再生可能エネルギーの発電量の予測などに、気象情報を積極的に活用している。
IT大手の伊藤忠テクノソリューションズは、再生エネを主力とする新規参入業者の新電力や金融機関など向けに、1週間先までの気象予報に基づく発電量予測やコンサルティングのサービスをクラウドを通じて提供する。
再生エネ事業者にとって発電量の正確な予測は、事業の収益を左右する。雨や曇りなどの天候不順で電力の供給不足が生じた場合、火力発電などによる電源を調達して補填(ほてん)しなければいけないが、予測精度が低ければ調達量が過剰になるケースも出てくる。予測精度の向上は適時適量の調達を可能にし、CO2の排出削減にもつながる。