ウェザーニューズの航空会社向けサービスのモニター画面に映し出された台風10、9、11号(下部の中央左から)の雨雲。積乱雲が発達しているエリアなどを赤色で警告表示している(同社提供)【拡大】
気象データをより詳細に解析した同社の新サービスを活用すれば、航空会社は「台風の上空を抜ける最適航路」などの検討が可能となり、航空輸送の生命線といえる安全な定時運航と、燃料低減を両立させることができるという。
運営主責任者の安部大介取締役は「従来の気象衛星『ひまわり7号』は観測頻度が30分に1回のため、得られるデータは台風の発達スピードに追いつくのが難しかったが、8号は2分半に1回と格段に改善された。今後は火山灰や黄砂、霧の検知でも航空機の運航サポートができるようになる」と説明する。
船舶の最適運航を目指す造船・海運業界でも、より精度の高い海洋気象情報のデータが欠かせない。波の高さや風力、風向きなどを衛星通信経由で入手した上で、船舶の運航データや性能などを加味し、最適な航路や航行速度を導き出すのが船舶の最適運航だ。
造船2位のジャパンマリンユナイテッドは、最適運航をサポートする「運航支援システム」を開発し、この“海のカーナビ”をこれまでに二十数隻に搭載。日本-ブラジル航路の鉄鉱石船では、燃料の燃焼で排出されるCO2の量が従来と比べて3~7%削減できたという。