鹿島が開発した油圧式のダンパー【拡大】
鹿島は27日、油圧式のダンパーに地震の震動エネルギーを蓄える補助タンクを組み合わせ、性能を従来の2倍に高めた制震装置を開発したと発表した。蓄えた振動エネルギーの反発力で、揺れを抑える仕組みは世界で初めて。新築ビルへの採用のほか、従来型装置から置き換えも進める。
新型装置は3つの弁を制御し、補助タンクとダンパー内の油の流れを制御する仕組み。35階建ての建物で東日本大震災の揺れを想定して試算したところ、装置を設置しない状態に比べ揺れ幅が約2分の1に、揺れが持続する時間は9分の1に低減されたという。
新型装置は長周期地震動や、強い風による揺れの抑制にも効果があるといい、施工中の超高層ビル3件への採用が決まっている。鹿島の押味至一社長は「建物の仕様ごとに、提供できるメニューの数を増やしていきたい」と述べた。