流通最大手のイオンがプライベートブランド(PB=自主企画商品)「トップバリュ」の改革を急いでいる。これまではPBの基本となる「安さ」に重点を置いた商品を展開してきたが、PBにも「高品質」や「おいしさ」を重視するように変化した消費者のニーズに十分対応しきれておらず、高付加価値型のPBで先行するライバル、セブン&アイ・ホールディングス(HD)に後れを取ってきた。イオンは当面、鮮度にこだわった刺し身や牛肉などを切れ目なく売り出し、顧客に品質の変化を実感してもらい、ライバルの追い上げを図る構えだ。
「お客さまの(ニーズの)変化に十分対応することができず、全部が問題だった」。イオンの総合スーパー(GMS)事業を担うイオンリテールの岡崎双一社長は7月8日、東京都内での会見で反省の弁を述べた。
イオンは、昨年4月の消費税増税に伴って消費者が節約志向を強め、価格を重視した消費行動を取ると想定。メーカー品よりも価格が1、2割安いトップバリュをそろえて顧客を取り込もうとしたが、どの店でもトップバリュの商品ばかりが目立つ売り場となった結果、「買い物をする楽しみに乏しい」(千葉県内の60代の主婦)といった来店客の不評を買った。