早くもリターンマッチの第2ラウンドのゴングが鳴ったようだ。電子部品商社の黒田電気に、「物言う株主」として知られた村上世彰(よしあき)氏ら4人を社外取締役に選任するよう提案し、8月の臨時株主総会で否決された世彰氏の長女、絢(あや)氏が再びかみついたのだ。9月3日に公開した文書で、提案に反対した従業員一同の声明文は「捏造(ねつぞう)」と指摘し、経営幹部の辞任を求める。総会直後に「引き続き黒田電気の株主価値向上に取り組む」と宣言した絢氏の父譲りの強面ぶりに注目が集まっている。(牛島要平)
「ルール違反」
「株主総会は神聖。きちんとしたプロセスの重要性を理解してほしい」
9月上旬、都内にある投資会社「C&Iホールディングス」が入るビルの1室で、同社最高経営責任者の絢氏は取材に応じ「捏造」を厳しく追及した。
問題となっているのは、8月5日に公表された黒田電気従業員の親睦団体「自生会」と「従業員一同」名の反対声明文で、これが自生会や従業員の事前の了承なく同社ホームページに公表されたというのだ。
絢氏が「証拠」とするのは8月16日に録音されたという音声。自生会会長と同社幹部とされる男性2人の会話だ。