業界再編求める
絢氏がここまで黒田電気にこだわるのはなぜか。C&Iは世彰氏らとともに計約16%(7月10日現在)の株を持つ実質上の筆頭株主だが、「捏造」を蒸し返すことに投資家としてどんなメリットがあるのか。
この点を直撃すると、絢氏は「黒田電気に固執しているわけでない。コーポレートガバナンス実現が投資理念だからこそ」と答えた。世彰氏が電子部品業界でほかに三信電気、エクセルなど複数企業の株を保有し、絢氏は「黒田電気にきちんと対応することが業界全体の株価向上につながる」との展望も示した。
さらに、「M&A(企業の合併・買収)による業界再編も日本ではまだまだ追いついていない。この点もきちんと対応していかないといけない」と述べた。
父との違いは?
背後に見え隠れするのが父の影だ。世彰氏は現在、シンガポールで自己資産を運用し、不動産投資などを展開。社外取締役選任の株主提案でも、絢氏と都内の黒田電気本社を複数回訪れ、「村上節」は健在だったという。
絢氏は「父とは一緒に仕事することもあり、よく相談している」と明かす。「コーポレートガバナンスを日本企業に浸透させるのが使命」と語る絢氏の言葉は、世彰氏が「私のライフワーク」と言い続けてきた持論と重なる。